Medical / Clinic Brand
多店舗展開する眼科のブランド統合プロジェクト。
患者導線、診療フロー、待合空間の設計思想を、デジタル体験へ翻訳しました。サイト、診療カード、案内サインまでを一貫して再構築した事例です。
複数の店舗が地域ごとに増設される中で、それぞれの院がオリジナルのトーン&マナーを持つようになっていました。患者さまにとっては「同じグループの医院」と認識しづらく、また採用面でも「どんな医院なのか」が伝わりにくくなっていました。
診療科目の幅が広がり、ウェブ問診や予約システムなど現場の運用も複雑化する中で、サイトの情報構造そのものが、現場のリアリティに追いついていない状況でした。
単なるサイトリニューアルではなく、ブランド統合と、各院の個性の両立、そして運用負荷を下げる情報設計という三つの要件を同時に満たす、難題への対応が求められていました。
まずは経営層とのヒアリングを重ね、グループ全体に通底する「誠実な医療」という骨格を、言葉で再定義することから始めました。その上で、タイポグラフィとカラーシステム、コンポーネント設計のレベルで、すべての院に共通する基本ルールを構築。
各院ごとには、診療科目や地域性、患者層に応じた「表情の差分」を設計しました。共通ルールの中でも、写真トーン、コピー、各院の特色紹介の比重を調整することで、画一的にならず、それぞれの個性が立ち上がる構成としました。
サイトだけでなく、診療カード、案内サイン、デジタルサイネージまでを統合的に再構築。患者さまが医院に踏み入れた瞬間から、サイトを離れる瞬間まで、一貫した安心感が伝わる体験を設計しました。
医療というセンシティブな領域においては、過度な装飾は信頼を損ないます。私たちは「言葉の正確さ」と「余白の設計」の二つに重きを置きました。
配色は無理に明るくせず、自然光に近い白とグレーを基調に。タイポグラフィはNoto Serif JPの繊細な明朝体を使用し、医院の落ち着いた品格を表現しました。アクセシビリティ面では、コントラスト比、文字サイズ、操作性をすべて WCAG AA 基準でクリアしています。
ご高齢の患者さまにも読みやすい文字サイズと行間、スマートフォンでの片手操作を意識した導線、診療予約までの最短経路の確保など、現場で実際に使われる場面を想像しながら、細部の調整を重ねました。
— Visual Showcase
リニューアル後3ヶ月で、グループサイト全体の月間PVは前年比で約140%に増加。新患予約数も約25%増を記録しました。
数字以上に意味があったのは、患者さま・スタッフ双方からの「医院の雰囲気がそのままサイトに伝わる」というフィードバックです。これは、私たちが目指していた「現場とデジタルの一貫性」の実現を意味していました。
現在も継続的にコンテンツ更新と運用を担当しており、医院の成長に合わせてブランドが進化し続けています。新たな診療科目の追加、新院開設のタイミングでも、これまでに整備したルールに沿って一貫した品質で展開できる体制が整っています。
— Get in touch
医療・クリニック分野のブランド設計について、
事業背景に応じた具体的なアプローチをご提案いたします。多店舗展開、新規開院、グループ統合、いずれの段階でもご相談いただけます。